The 7th Blues
評価:★★★★★+
日本初の二枚組ミリオンヒット。B'zで最も好きなアルバム。
デビュー時から『OH!GIRL』『LADY NAVIGATION』『BLOWIN'』等、アイドル色の強い曲を生み出してきたB'z。
その流れを引き継ぎつつ、1993年にロックを中心に構成された6thアルバム『RUN』を発売。ダブルミリオンのヒットとなる。
しかしその後にシングル『愛のままに~』『裸足の女神』をリリースし、B'zはアイドル路線に回帰したかに思われた。
その大方の予想は裏切られることとなる。
1994年にシングル『Don't Leave Me』を発売したのち、『RUN』を超えるハードロックアルバムが発売されたのだ。
それが『The 7th Blues』である。
当時のメンバーはサポメン含め長髪。
B'zのルーツである洋楽への回帰。
それまでとは違うB'zのイメージから離れてしまうファンも数多かった。
と同時に、そのロックに魅了された新規ファンも多いのも事実だ。
このアルバムは一言で言ってしまえば洋楽へのリスペクト、悪い言い方をすればパクリが多い。
『MY SAD LOVE』はもろWHITE SNAKEだし、『JAP THE RIPPER』なんかはGuns N' Rosesから取ってきた形跡がある。
ここで私が言っているのはオリジナルではない、だとかただのコピーだ、ということではない。
それらを原曲どまりではなく、あくまでも「B'z」として昇華させた曲達の集合体。
それが『The 7th Blues』だ。
勿論『LOVE IS DEAD』『春』等、B'zにしかありえない名曲も収録されている。
曲もさることながら歌詞の完成度もB'z史上類を見ない。
苦悩に満ち、絶望に頭を抱える主人公が中心に描かれている点もサウンドと同じく、従来のB'zとは異なる点であろう。
本人たちのルーツを辿り、やりたい音楽をやりたいようにやった。
ある意味でこのアルバムが表すものは「本物のB'z」なのかもしれない。