うるさいほどの静けさ

主に聴いた曲について書いていきます。B'zのレビューは休止。更新超不定期です。

Las Vegas

【★★★★☆】

ラスベガース。

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中々豪華なロックンロールチューン。B'zにはあんまりないタイプ。

 

ショートMV公開時はそんなパッとしなかったんだけど、通して聴いてみるとかなり良かった。

 最初聴いたときはVan Halenが頭に浮かんだんだけど、Aerosmithとか、とにかく80年代のロックンロールを意識して作られたに違いない。それに歌謡曲らしさも加わっているという感じ。

 

Red Bull Air Race(知らない)のタイアップがついているように、聴いていて気持ちのいい疾走感。1曲通して鳴っているホーンセッションも印象的だ。その辺は『LOOSE』の時期を彷彿とさせる。

 

間奏の、溜めからのギターソロの爆発力も目を見張るものがあるが、何といってもこの曲の最大の聴きどころはアウトロ。

「Yeah Yeah Yeah」というコーラスを重ねるにつれて盛り上がっていくTAKのソロが最期まで曲の勢いを衰えさせない。

 

歌詞は「Las Vegas」に行くようなデカい夢を抱えたまま普通の大人になった男の話だ。

働き始めてからも昔の大きい夢を諦めきれない青年または中年のおっさん、というテーマがまず面白い。ここでも『LOOSE』を思い出した。

 

「さみしげなアーケード」や「パチンコ屋」を登場させてラスベガスとそのへんの街の対比をさせているのも面白い。特にパチンコ屋のネオンですら「まばゆい」と思うあたり、理想と現実には大きなギャップがあるということなんだけども。

 

それでも年甲斐もなく夢を追いかけてもいいじゃない、というのがこの曲のメッセージ。

 

主人公も「気が向けば won't you come with me?」だの「夜明け前の結婚式を挙げよう」だの周りを巻き込みながら夢を追いかける。

この男のように決起するのはいつでもいい、ということ。

実際の現実はそんなに甘くはないが、思い立ったら挑戦してみるのも悪くはないだろう、という稲葉なりの主張である。

 

 

先述の通り疾走感があってホーンセッションがふんだんに使われた豪華なロックンロール。サウンドも歌詞も割と90年代のB'zらしく、聴く人が聴けばダサいとも言えるような曲。

個人的には、このアルバムは作風としては『RUN』と『LOOSE』を足して2で割ったようなアルバムと言う風にとらえている。

この曲はそんなアルバムの中における位置づけとしても重要な役割を果たしているように思える。

1曲目としてはピッタリな選曲だろう。

 

 

ところで「ahaha」の部分、どっかで聴いたことあるような。どこだっけ。