うるさいほどの静けさ

主に聴いた曲について書いていきます。B'zのレビューは休止。更新超不定期です。

有頂天

【★★★★☆】

 51stシングル。

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発売前にラジオで初めて聴いたときはなかなか衝撃的でした。

若年層向けのドラマのタイアップがあったおかげで知名度も高い。

 

展開自体は決して珍しい曲ではない。

静かなパートからハードなパートへと続く流れはシングルで言えば「熱き鼓動の果て」なんかにあったし、3番がないタイプは「ZERO」等に当てはまる。

 

リフも「白い火花」で見たような感じだし、サビメロもキャッチーではない、といった感想がでてくる。メロディー面だけで言うとそんなに評価出来る曲ではないかもしれない。

 

この曲の特長は、一言で言うなら明らかに「気合が入っている」ことである。

 

シングルらしく一般受けするように、B'zでは中々見ないレベルで工夫が施されている。

 

全体を通してウネウネと動くベースライン。目立つように調整されたバスドラ。

サビやそのあとのパートで使われるストリングス。ギターソロのバック等にこっそり用いられたシンセ。ボーカルにかかるエコー。

 

挙げればキリがないが、明らかに重要なシングルであることを意識しているようなアレンジが加えられているのだ。

 

このことで、アルバムに収録されている他の曲よりも明らかに音の厚みが増し、一般受けの要素を多く含んだシングルが出来上がった。

 

といってもサビの無骨さのおかげで1曲だけ明らかに浮くということもなく、アルバムによく馴染んでいる。

 

もしこの曲がシングルに決定しなければ、もっと薄っぺらいサウンドの曲になっていたのではないだろうか。

 

歌詞はよくある「弱い男」の話です。

 

いつもSNSなんかで他人を見て嫉妬してるけど、彼女の前では有頂天になりたい非リア。

あれ彼女いるしこいつ普通にリア充でいいんじゃないのこの野郎って声も聞こえてきそうだけど。

まぁそれ以外の日常がうまくいってなくて、彼女だけが心の拠り所ってことなんだろうですけどね。

 

「幸せはいつ来るの」とか涙流しておきながら「生きてくる方向を間違えたと そんなことは思わない だってI got you」ってのたまうぐらいだし、この男とんだメンヘラ野郎である。

でも稲葉浩志の歌詞の中ではよくいるタイプの男なので特に目新しい感じではないし、これ以上深くは言及致しません。

 

ところで歌詞中の「いいね」は別にFacebookを意識したわけじゃないらしいですね。

でもSNSのことだって認識できたほうが聴き手はイメージしやすいだろうし、結果的にこの表現で良かったんじゃないかと思います。