うるさいほどの静けさ

主に聴いた曲について書いていきます。B'zのレビューは休止。更新超不定期です。

Blue Sunshine

【★★★★★】

『GREEN』のドライブソングPart2。

アルバムの中間に位置するこの曲は、サウンド自体はB'z史上トップクラスに爽やかな曲だ。

イントロからアウトロまでアコースティックギターを中心に構成される。

 

アコースティックギター中心と言っても、『熱き鼓動の果て』の序盤のような「飽き」はこない。ただひたすらに、最初から最後まで爽やかなまま突っ走るのである。

 

歌詞のテーマは「光」と「影」。

最初から最後までドライブをしている男女が描かれており、その中での男の感情の変化がテーマとなっている。

 

女の、今の男のことを大切にしなければならないという感情が「光」、前の男のことが忘れられないという本音が「影」。

男はこの女に惚れてるんだけど、この二面を簡単に見て取れてしまうわけです。

そういう点では『MY SAD LOVE』に通ずるものがありますね。

 

相思相愛とは言えない男女。

故に、男から見て女は「永遠の憧れ」に過ぎない。

それでも男は彼女に「明るい方(光)」へ少しでも近づいてほしいんですね。

だからこそ男は一番の歌詞で、明るいものの象徴である太陽(=Blue Sunshine)に、彼女を振り向かせる方法を教えてほしい、と心の中で半ばヤケクソになって訴えていた。

 

そんなことを思っていると、ふと車のラジオが「暗い事件を伝え」てきた。

それが芸能人の離婚のニュースなのか、それとも男女関係のもつれの末に起こった事件の報道なのかは分からないけども。

その内容に、男は人間がお互いの気持ちを正確に把握することは難しいということを再認識する。

それと同時に、女を自らの手で振り向かせようという決意を固める。

それはすべて、女を「好きでいられることを幸せに思う」から。

 

そして歌詞の最後の一行では「Blue Sunshine」に別れを告げ、一番の歌詞では他力本願になっていた気持ちと真摯に向き合うことになった男が、女を色々な場所に連れて行くシーンで幕を閉じる。

 

どうだろうか。爽やかなメロディーに合わせてこれだけ緻密な男の感情の描写がなされており、なおかつクライマックスには

「誰もが光と影の間を彷徨い続けて

 少しでも明るい方へと手を伸ばして涙流す」

という聴き手への的確なメッセージが書かれている。

 

アルバム『GREEN』の中ではトップクラスに完成度の高い歌詞であり、サウンド面もスッと耳に入ってきやすい。

アルバムの核となる1曲。