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うるさいほどの静けさ

B'zを中心に、音楽について書いていきます。更新不定期。

Warp

【★★★★★】

詞先ということが公式に発表されているのは全楽曲中この曲のみ。

 B'zの曲はほぼすべて曲先で作られる。

そんな中詞先で作られたこの曲は、やはり歌詞の完成度が高い。歌詞の自由度が増すためか、稲葉浩志はここぞとばかりにストーリーを展開している。

ストーリーといってもThe 7th Bluesの頃のような重苦しいものではなく「大人に向けての青春ラブソング」と捉えられるような、これまたB'zとしては珍しい曲なのである。

 

この歌詞で特に上手いな、と思うのは倒置と具体描写

 

女の告白に対し、男が答えを有耶無耶にしたまま遠く離れてしまってから3年の月日が経った。

3年ぶりに会う男女は、基本的にお互いの性格は何も変わっていないように感じた。

解散したその後、男は女の家に忘れ物(=CD1枚)を取りに行く。

しかしそこで2時間も時間を潰してしまう。勿論その要因はCDではない。

その要因は、

『要するに感謝の気持ち忘れて

 僕ら 離れ離れになった

 もしかしたら 忘れ物ってそれじゃないの?』

という部分ですべて明らかにされる。

男は3年前に、女に対する感謝の気持ちを忘れていたが故、告白に対する答えを避けていた。

忘れ物はCDだけでなく、告白の返事もだったのだ。

そこで男は3年越しの返事をすることになる。

「きらいなわけないだろ」

「いっしょにいてほしい」

「ずっといっしょにいてほしい」

 

回りくどい言い方しかできんのかこの野郎。 うーんロマンティック。

 

男女が感じていた違和感の要因をあえて後半に持ってきて答え合わせをすることで、よりドラマ性が増している。

それだけではなく、

『3年ぶり』

『2時間』

『ショートヘアは はじめて見たけど

 シャツの色は 今日も白い』

といった具体的な描写を多く使用することで、よりリアルな感覚を聴き手に与えているのだ。

この倒置と具体描写、2つの要因によって詞先の利点が最大限に活かされていると言えるだろう。

 

メロディーも非常に聴きやすいので、多くの人がメロディーだけでも気に入るのではないだろうか。

 

ところで『ほんの最初の一声』って何だろう。

「結婚すれば配偶者控除がありますよ」とかだったら嫌だな。