うるさいほどの静けさ

主に聴いた曲について書いていきます。B'zのレビューは休止。更新超不定期です。

Don't Leave Me

評価:★★★★★

B'zの14thシングル。

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1994年、B'zの暗黒時代の開幕として発売されたのがこのシングルだ。

初動売り上げは79万枚、合計売上144万枚。

それまでアイドル寄りの路線を走っていたB'zの勢いが顕著に表れている数値だ。

しかし肝心の中身はというとそれまでのB'zのシングルにはない、洋楽的で激しい曲、哀愁のカタマリのような歌詞を持ったものだった。

この曲を先駆けとして、B'zは1994年の暗黒時代を突っ走ることととなる。

 

前作のアルバム『RUN』の中には『赤い陽炎』や『月光』といった哀愁の入った洋楽的名曲が配置されていたが、シングルとしてはこの曲が初であり、加えて前述2曲よりも激しい。

アレンジとしてはAerosmith『Cryin'』である。しかしこれを糾弾してしまえばこのようなタイプの曲は作れないだろう。

ブルース色が強い。サビのインパクトはB'z中の楽曲の中でもトップクラス。その曲の力強さとは裏腹に、「惜しくない 君を失っても」から始まる歌詞はただ悲しい。

コイントスだけで決まる恋なら簡単なゲームに過ぎないが、実際はそんなことない。

僕を許してくれるのは君だけである、ということに気づいた主人公だが時すでに遅し。

将来忘れることが信じられないほどのPAINを負い、現状に絶望、そして過去を後悔している主人公の話。

アルバム『The 7th Blues』に共通する「絶望」というテーマをこの曲も持ち合わせている。

まさにこの時代の象徴と言っても良い曲だろう。

『いったいどこに辿り着けるの tell me...』

の部分のシャウト。ライブにおけるアウトロの連続シャウト。

前作が『裸足の女神』であるということが信じられないような曲だ。

The 7th Blues』Disc2の1曲目にして、Disc1の勢いを留めないことを宣言する役割をも果たしている。

曲単体としても、アルバムの構成要素としても文句なしの★5つ。