Queen of Madrid
評価:★★★☆☆
ここまで続いてきた重苦しい歌詞とサウンドも一休みである。
TAK曰く「スペインのマドリードの話ではない」らしい。
しかしながらマドリードを舞台の1つとして描いたのは間違いない。思い浮かべる舞台は人によって違う、ということだと解釈している。
さて、『LOVE IS DEAD』『闇の雨』等の重いサウンドや歌詞を持った曲が連続してきたわけである。この曲は一転してスローテンポの8ビート。歌詞も同様に絶望した主人公は描かれず、稲ソロの『arizona』に通ずる「旅」をイメージした話だ。
オリエンタルな雰囲気。「一休み」と言っても細部まで作りこまれているのがこのアルバムらしい。サウンドやギターソロの完成度はもちろん、稲葉の歌唱が前曲までよりも力の抜けたことで曲自体の雰囲気を高めている。
歌詞もあまり多くをレビューするものでもないだろう。
あまり力みすぎないように。周りにあるものの値打ちは自分自身が決めるものだ、と。
これまで苦悩に苛まれてきた主人公へのアドバイス、そんな風にも捉えられるかもしれない。
旅の「一休み」地点。この曲で一呼吸を置いた男の物語は再び紡がれていくことになる。
このすぐ後に『赤い河』が来てもいいんじゃないの。